レポート


2009年07月30日 クリネックススタジアム宮城

東北vs仙台育英

2009年夏の大会 第91回宮城大会 決勝

クリネックススタジアム宮城

78分の78は1

今年の決勝は、 東北 と 仙台育英 の対決となった。宮城県民にとってはお馴染みの顔合わせ、ということになるだろうか。宮城の高校野球史に数々の名勝負を繰り広げてきた両校。だが、ここで戦う選手にとっては二度とない決戦だ。

試合は、東北が1回に先制した。1回表裏の攻撃で、勝敗がよぎった。東北はチームに勢いがあった。 仙台育英 に勢いがなかったわけではないが、東北の方が強かったように感じた。 仙台育英 は2回にすぐさま追いついたが、結局、4―1で東北が勝利。東北にとっては4年ぶり、3年生にとっては初めての夏の甲子園切符を手にした。

準決勝の後、我妻敏監督の言葉で印象に残ったものがある。

「78分の78の意識」。

78とは、東北の現在の部員数である。「一人でも欠けたら、1にはなりません」と我妻監督。78分の78は1。東北は78人全員がいて、一つのチームであるということを言っているのだろう。

東北は昨年9月、部内での暴力事件が発覚し、対外試合禁止6ヶ月の処分を受けた。

ひとりは78分の1であり、東北は78人の集まり。“東北”になるには、78人いなければならない。一人ひとりが大切な部員。事件が事件だっただけに、重みがある「78分の78の意識」。78人、一人たりとも欠けてはならないのだ。東北にその意識が根付いたからこその優勝。そして、初回に感じた“勢い”は、東北の“一体感”だったと思う。

さあ、いよいよ始まる。東北としては21回目の夏だが、今いる選手にとっては始めての夏。今年は、どの世代とも違った価値がある甲子園となるはずだ。

がんばれ!東北


(文=高橋 昌江

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